クルクミンが膵臓がんに効くかもしれない、という話
先日のUSAトゥデーに、こんな記事が出ていました(写真)。
おいしいカレーにお得な効果が? 1/8/2007
・・カレーにはがんを予防する効果があるかもしれない。「インド人は(カレーからの香辛料を)1日に100から200mg摂取しています。がんの予防にはこれで十分かもしれません」と語るのは、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのアガーワル教授。
アガーワル教授の研究室で行われた動物実験では、カレーに含まれるクルクミンが乳がんの発生と転移の引き金となる遺伝子を抑制することが示唆された。教授によれば、ヒトで行われた予備実験で、クルクミンのサプリメントを使った少数の人で膵臓がんの病状の進行をくい止めることができたそうである。
疫学調査によれば、香辛料のターメリック(訳注:この主成分がクルクミンです)をよく摂っている人々には乳がんや前立腺がん、大腸がんの発生が少なかったとのこと。・・
MDアンダーソンがんセンターは全米有数のがん専門病院ですが、上の記事にあるように、膵臓がんの患者にクルクミンのサプリメントを飲んでもらう臨床試験を現在実施中です。去年発表された第2相試験の中間発表では、1日8グラム(インド人の平均摂取量の40倍ですが)のクルクミンを2ヶ月内服する試験に参加した19人のうち11人の膵臓がん患者を評価したところ、4人で病状安定、さらに1人では腫瘍の縮小という効果が得られたそうです。副作用は特に出ませんでした。
この治験が進めば、クルクミンは膵臓がんに効果が証明された初めてのハーブ(スパイス・薬草)ということになるかもしれませんね!
クルクミンについての参考資料:
- 良く聞かれる質問(MDアンダーソン病院)
- 詳しいプレスリリースの翻訳「クルクミン」(海外癌医療情報リファレンス)
- ターメリック(『健康食品』の安全性・有効性情報)食物中に通常含まれる量であれば安全と思われるが、過剰に長期間摂取すると、消化管障害あるいは消化管の不調が起きることがある。また、胆石のある人は医師への相談が必要、胆道閉鎖症の場合は禁忌
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