未承認薬の使用に道を
このブログもしばらく間があいてしまいました。9月6日にここで応援していたパバロッティさんが亡くなったというニュースは、世界を駆け巡りました。この間、パンキャンジャパンでは集まった支援金をもとに2名の医師を米国膵臓がんサミットに派遣するなど色々と活動していたようですね。11月には、米国で膵臓がん啓発月間(Pancreas Cancer Awareness Month)の行事が行われます。
ところで、未承認薬に関する記事が以前に出ていましたので紹介します。
最後の選択、未承認薬使用にも道を…厚労省検討会が見解
読売新聞 2007年6月29日
厚生労働省の「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」(座長=高久史麿・自治医大学長)は29日、重い病気で他に治療法がない場合、国内では未承認の薬も使用できる制度を導入すべきだとの見解で一致した。 7月下旬にも報告書として取りまとめる。
厚労省は今後、導入に向けた検討を始めるが、医療保険上の取り扱いや副作用被害が出た場合の救済制度の仕組みなど、検討が必要な課題が多数残っており、導入までには曲折も予想される。
報告書の骨子案によると、対象となるのは欧米で承認済みの医薬品のほか、国内や欧米で臨床試験を実施中か、臨床試験は終わったものの承認がまだ得られていない医薬品。制度が示す条件に合えば、こうした未承認薬についても製薬メーカーが製造・輸入・販売できるほか、医師も単独で輸入することもできるとした。
現在は個人輸入されている未承認薬については、薬事法で規制できることになり、国は使用中止などの勧告をできるようになる。
欧米では同様の制度がすでに導入されているが、国内では未承認薬を使わざるを得ない場合でも、販売目的で製造、輸入をすることは禁止されている。このため、海外ですでに承認されている抗がん剤や難病の治療薬などを使えないケースが多数起き、個人が自己責任で輸入するケースが相次いでいる。・・
膵臓がんでは現在、タルセバ(エルロチニブ)やエルプラット(オキサリプラチン)などの薬の治験が進んでいるようですし(「がんナビ:開発中の抗がん剤」参照)、これらは他の種類のがんでは既に承認・発売されている薬ですから、こうした制度ができれば臨床試験を実施していない病院でも未承認薬を処方してもらうことができるのかもしれません。
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