やぶいぬ応援団

膵臓癌闘病記や生還者のアドバイス、新薬の治験情報や研究など元気が出る話題を個人が集めたブログです。 <免責事項>本ブログは特定の治療法や薬の使用を推奨するものではなく、このブログの情報を利用した結果について筆者は責任を負うことはできませんのでご了承ください。

腫瘍と正常組織を瞬時に見分けるメス

もう一つの研究は、手術時に使うメスに関するものです。がんの切除手術をするときは、正常な組織をできるだけ残しながら癌組織をすべて切り取らなくてはなりません。しかしながら、正常組織とがん組織の見極めは熟練した外科医にとっても非常に難しいのです。

腫瘍と正常組織を瞬時に見分けるメス「アイナイフ」(2013年07月19日 発信地:ワシントンD.C./米国  AFP)


がん組織と正常組織を数秒のうちに「見分ける」新しい機能を持つ外科用ナイフ(メス)に関する報告が17日、 米医学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン」に発表された。 腫瘍除去手術の改善につながる技術として期待がかかる。

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発がん原因遺伝子

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今日は有望な研究を2題紹介します。まずは、先日の新聞記事から。

発がん原因:遺伝子異常22種 7042人分解析毎日新聞 2013年08月15日)


 国立がん研究センター(東京都中央区)を中心とする国際研究チームは、30種類のがんを対象に細胞の遺伝子の突然変異を調べ、がんの原因となる変異のパターン22種類を発見した。…


多くのがんは2種類以上のパターンが重なり合うことで発症し、中でも肝臓、胃、子宮の各がんでは6種類のパターンが重なって発症していた。変異のパターンのうち、一部は喫煙や加齢、紫外線などの影響で引き起こされていることが推定されたが、他の多くは原因が特定できていないという。…(後略)

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がん治療にiPS細胞を活用

画期的な治療法の確立につながるかもしれません。熊本大は、iPS細胞からがんと戦う細胞を作成して膵臓がんのマウスに投与したところ大きな効果があり、がんがほぼ消滅する個体も出たと発表しました。

がん治療にiPS細胞活用 千住熊大准教授ら 2013年07月15日(くまにちコム)


 熊本大大学院生命科学研究部の千住覚准教授(51)=免疫識別学=らの研究グループが、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った免疫細胞を、がんが腹腔[ふくくう]に広がって治療が難しいがん性腹膜炎や、膵臓[すいぞう]がんの治療に活用する技術を開発した。2〜3年以内に臨床試験に向けた審査を学内の倫理委員会に申請する方針。

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アブラキサンの優先審査

アブラキサン


乳がん等で使われている抗がん剤アブラキサンについて、アメリFDA(食品医薬品局)が膵がんでの使用を承認するかどうか優先して審査することを決めたそうです。これは極めて有望な薬剤に対する措置だと考えられます。

進行性すい臓がん治療薬を米FDAが優先審査=スイス社時事通信

【ビジネスワイヤ】スイスの製薬会社セルジーン・インターナショナルは、同社の抗がん剤「アブラキサン」と別の抗がん剤ゲムシタビンの併用について、進行性すい臓がん治療の第1選択薬としての適応追加申請(sNDA)が、米食品医薬品局(FDA)から優先審査に指定されたと発表した。審査期限は今年の9月21日まで。欧州医薬品庁(EMA)からも今年4月、同様の適応の変更申請が受理されている。アブラキサンは、抗がん剤パクリタキセルをヒトアルブミンと結合させた懸濁注射剤。

別ソースはこちら。詳細が書かれています。

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新しい転移抑制研究

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食中毒菌と放射性物質を組み合わせた新しいすい臓がんの治療法の研究が発表されました。まだ動物実験の段階ですが、早く実用化されると良いですね。

食中毒菌で膵臓がんの転移を抑制、米研究

【4月24日 AFP】食中毒を引き起こす可能性のあるリステリア菌膵臓(すいぞう)がん細胞に感染させ、腫瘍を殺傷する薬剤をがん細胞に届ける実験的治療法の有効性が動物実験で確認されたとの論文を、米国の研究チームが22日、米科学アカデミー紀要に発表した。この治療法が動物実験で検証されたのは世界で初めてという。


…自然界のリステリア菌に感染すると、食中毒を起こす恐れがある。研究チームは、毒性を弱めたリステリア菌にがんの治療に広く使用されている放射性同位体ラジオアイソトープ)を付着させ、これを正常細胞以外のがん細胞に感染させた。


その結果、膵臓がんにかかったマウスで、この方法で治療したマウスの90%は、3週間後にもがんが拡がった兆候は見られなかった。実験は、膵臓がんの治療を施さなかった対照マウスが死に始めた21日目で中止した。ほとんどのケースでがんの拡散を停止させ、マウスに有害な副作用を及ぼすこともなかったとみられるが、この治療法延命が可能かを確認するには、さらなる研究が必要になる。

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癌ワクチンの特集を放送するそうです

11月18日(日) 夜9時から、NHKでがんワクチンの開発について放送するそうです。膵がんワクチンも話題に上るようです。

がんワクチン 〜"夢の治療薬"への格闘〜
一昨年、延命効果があるとして、アメリカで「前立腺がんワクチン」が承認。これを契機に、新薬がもたらす経済効果を狙い、世界は開発競争に突入している。日本も、がん細胞だけが持つ特有の「ペプチド(アミノ酸の結合物)」を目印にがんを攻撃する「ペプチドワクチン」を独自に開発、現在、治験の最終段階に入った“すい臓がん”を筆頭に、15のワクチン開発が進む。

詳しくはこちらへ。予告編も出ています。

最近の話題2題

最近見かけたニュースを2つ書き留めておきます。

心臓ホルモンが、がんの転移を抑制

がん転移抑制ホルモン 心臓が分泌…国循と阪大 2012.10.24 読売新聞

心臓から分泌されるホルモンに、がんの転移を抑える働きがあることを、国立循環器病研究センターと大阪大のチームが突き止めた。


 副作用の心配がない、がん転移を防ぐ治療法の開発につながると期待される。横浜市で開かれる日本癌(がん)治療学会で26日に発表する。


 同センター研究所の寒川(かんがわ)賢治所長らが発見した「心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)」というホルモン。心臓や血管を保護する役割があり、心不全の治療薬に使われている。


 チームは、肺がんと心疾患を併発した患者に、がん手術後の不整脈などを予防するためANPを投与すると、がんの再発が少ないことに着目。肺がん患者の再発率は通常、術後2年で20%程度だが、ANPを投与した90人では4人にとどまった。…

詳しくはこちらへ。国立循環器病センターのプレスリリースはこちらにあります。

アスピリンが一部の大腸がんに効果

アスピリン、一部の大腸がんに効果? 米ハーバード大 2012.10.25 朝日新聞

【東山正宜】鎮痛剤のアスピリンが、ある特定の遺伝子に変異がある大腸がん患者については死亡率を減らす効果がある、との論文が、25日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。…


 荻野さんらは、2006年時点で大腸がんと診断され、細胞を分析できた964人の経過を追跡した。このうち「PIK3CA」というがんの増殖に関わる遺伝子に着目、その遺伝子に変異があった161人と、遺伝子変異のない803人について、アスピリンを飲むかどうかで予後の違いを比べた。


 遺伝子変異があったグループでは、アスピリンを飲む習慣がなかった95人のうち44人が昨年1月までに死亡、うち大腸がんが死因だったのは26人だった。一方、アスピリンを週に複数回飲んでいたのは66人で、亡くなったのは18人。このうち死因が大腸がんだったのは3人だった。…

詳しくはこちらへ。アスピリンの直腸がんへの効果について、こちらにも記事があります。

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