やぶいぬ応援団

膵臓癌闘病記や生還者のアドバイス、新薬の治験情報や研究など元気が出る話題を個人が集めたブログです。 <免責事項>本ブログは特定の治療法や薬の使用を推奨するものではなく、このブログの情報を利用した結果について筆者は責任を負うことはできませんのでご了承ください。

ウォルター・リーマンの記録(抄訳)(3)

(2)より続く
元サイト:http://www.pancreatica.org/story_Leaman.html

ウォルターの最も重要な情報源

 インターネット上で一番使ったサイト: WebMD.com; UCSF.edu; Pancreatica.org; PanCan.org; そしてCancerCare.org のlistserv アーカイブ。このlistserv は、Association of Cancer Online Resources (ACOR) によって集められたものである。ACORとは、全国的なボランティアベースの非営利組織で、がん患者と家族、医療従事者を情報とサポートと絆によって結んでいる組織である。膵臓がんのlistserv グループは、ネット上最も活動的で頼りになるもののひとつである。ウォルターはここで活発に活動している。「もっと早くここを見つけていれば良かったよ。」というのが彼の弁である。


 日常活動の面では、ウォルターは確かにゴルフコースに完全復帰した。彼自身、それから40人ほどいるサンフランシスコ湾周辺地域の仕事仲間と友人たちのために、トーナメントを計画したりしてたっぷり時間を使っている。彼のもう一つの興味は、同じような状況の他の人たちを助けることにあるようだ。彼は自らボランティアで、同じ状況にあるアメリカ中の人々と話をするようになった。セミナーや会議にも行けるようにスケジュールを空けてある。パネリストとして参加することもあるし、他のがん克服者とともに、何が効果的であったか議論するワークショップに出席したりもする。


 精神面および宗教面では? 公式には、ジーンはより深く神を信ずるようになったということになっている。しかしはっきりしているのは、二人とも精神と心に影響を与える様々なことに敏感になったということである。「ウォルターにはとても沢山の友達と、同僚と、パソコンを使っている家庭の仲間ができました。彼はいつもみんなが頑張るように励ましているんですよ。彼にとっては、こういうのが宗教なんでしょうね。」ウォルターが付け加える。「僕を知っている人、僕の状況を知っている人はたくさんいますよ。現在状況を報告する電子メールを仲間に送るときにはいつでも、楽しいけれど正直な文章を書くように心がけています。『僕らはもう終わりだと思っていた皆さん、残念でした!』って調子でね。そしてこれまでにたくさんの方が、僕らのために祈ってくれました。それも、嬉しいことです。」


 もちろん、医療チームはウォルターの治療が成功したのは実験的抗がん剤のおかげだと言うことだろう。しかし、リーマン夫妻にとっては(夫妻はテンペロ医師と同僚の医師はおそらく同意してくれるだろうと思っているけれども)、ウォルターがうまくいったのは「私たちがあきらめずにいたから、そして前向きな気持ちを持ち続けたからでしょう。つまり、『あの時こうしていれば・・』などと言わないということです。」


 希望を持つことの大切さ、それからポジティブに考えることの威力はウォン医師に会ってゴルフに復帰する目標の話をしたときに初めて見えてきた。テンペロ医師に会い、治験薬が効くかもしれないという話を聞き、その思いは強まった。「その話を聞かなかったら、ウォルターはまたたく間にあの世に行ってしまっただろうと思います。もし希望を持たせてくれる人が見つからなくても、探し続けてください。治療結果が絶対に違ってくるはずです。」

アドバイス

パートナーに対して:

  • 自分で調べる。「特に診断が下るまでの間、医者がすることをただ待っていてはいけません。医者は何十人もの患者を担当していますが、あなたが担当しているのはあなた一人です。もちろん医者は医者なのですが、あなただって医者に負けないぐらい病気のことを学ぶことが非常に重要です。そうすればあなたの治療にあなた自身も貢献できるようになります。」
  • 常に一段上のレベルに話を持っていく。ジーンは語る。「どこの病院にかかるときも、私たちはそのことを心がけてきました。予約がうまく入らなかったら、別の医師のところに行って予約を入れてくださるように頼みます。必要な予約が取れるまで繰り返します。どうしてだか、私は、ウォルターがちゃんとした治療を受けることができれば、チャンスがあるような気がしていたんです。」
  • 何としてでも食べさせる。「そして食事の質にはこだわりすぎないことです。私も最初は、栄養士さんに勧められたものを料理して、病院に持ち込んで、それでにおいなど色々難癖を付けられて拒否されるばかりでした。そこでこっちから質問することにしたんです。「あなた自身は何が食べたいの? チキンスープ? 辛いもの? アイスクリーム?」 何でも良いのです?それが朝昼晩と続いても、私は気にしないようにしました。普段と違って、カロリーが取れればいいんです。」
  • 自分の意見をしっかり持つ。 宣告を受けたとき、ウォルターとジーンがどう思ったか、思い出してみよう。二人の反応は正反対だった。ジーンがいなかったらどうなっていたと思うかウォルターに質問したところ、ウォルターの答えはこうだった。「ジーンがいなかったら、今僕は生きてここにはいないでしょう。彼女は間違いなく、最高の妻です。もしこの先僕の身にまだ何かあったとしても、彼女は寂しい思いなどしないでしょうね。僕の友だちが何人も、『おまえがいなくなったら、いつでもジーンと結婚しておまえの地位を引き継いでやるぞ』って言ってますから!」

(つづく)

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