SMART-1の最後の任務
欧州宇宙機構(ESA)の月探査機スマート1が、3年の探査期間を終え、最終ミッションとして月に衝突してその衝撃を測る実験を行ったそうです。
欧州の月探査機「スマート1」、役目終え月面に消える(読売新聞)
Impact landing ends SMART-1 mission to the Moon(ESA news)
ここにスマート1最後の瞬間の映像(シミュレーション)があります。秒速2kmで衝突し、直径10メートル程度のクレーターができたそうです。ハワイでとらえられた衝突の瞬間の画像はこちら
Last-minute tweak saves spacecraft(Calgary Sun)によると、衝突の1日前に予想軌道がクレーターのへりをこすってしまうということが判明し、最後の3時間で軌道を上方修正して衝突に成功したそうです。
世界各国で月への飛行計画が現実味を帯びてきたために、月探査のデータは非常に貴重になってきました。スマート1の探査(半年の予定を1年間延長して行われたそうです)によって、月の起源がより正しく推定できるようになりました。月自体、45億年前に火星級の大きさの天体が地球にぶつかったことでできたものだと考えられています。
宇宙研究者がプロジェクトの責任者として働くのは一生に一回だけという話を聞いたことがあります。(大きなプロジェクトはそれほど数がありませんし、何年も準備に時間をかけて観測自体も10年単位の時間がかかるものです。)スマート1最後の任務を見守った研究者たちの気持ちは、どんなものだったのでしょうか。(やぶいぬはこういう話に誠に涙腺が弱いのです)あ、でもここのニュース映像を見ると、誰も涙ぐんでなどいませんね(笑)