友人たちの闘い(後編)
(前編よりつづく)
5月の学年の終わりに、ビルは選考委員会の満場一致で大学の学位授与式の式辞人に選ばれました。そこでビルは7500人近くの卒業生の前で話をしたのです。その日彼が卒業生に伝えた人生の教訓の一つは、人を尊ぶと言うことでした。「私はがんの闘病体験を通して、これまでの人生に無かったほどの勢いで友人や、同僚や家族のやさしさを尊ぶようになりました。私はまた人それぞれの多様性について新たなことを学びました」と彼は語りました。人間が思いやりを示す方法にどれほどまでの多様性があるのかという点で、この話は講演を聴いていたすべての人の心に深くしみわたった助言となりました。
ビルは診断後、それまでよりはるかに態度が結果を左右するということを実感したそうです。「私は、どんな診断を受けようとも、どれほどの挑戦や困難が待ち受けていようとも、毎日を最大に生きようと決心したのです」とビルは話し、愛する人々の支えがあれば、人は驚くほどのことができるということを強調しました。「どうか前向きな態度を保ちつづけ、人生の毎日すべての日のあらゆる瞬間をしっかりと手にしてください。」
ビル・ホール副学長は友人たちと同僚にとって、真のトチの実だましいを備えた人です。ビルは自分の社会生活を世界で最も素晴らしい人々 ーオハイオ州立大学の人々ー の間で過ごすことができて幸運だった、と言っています。「毎日毎日、何年も何年も、聡明で生き生きとしていて思慮深く思いやりのある人々に囲まれて過ごしたら、自分も情熱的で楽天的な人間にどうしたってなってしまうものだよ。」同じように、OSUで私たちが仕事に向かう熱意はこの人の「毎日を最大に生きる」という情熱から来ているのです。
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