やぶいぬ応援団

膵臓癌闘病記や生還者のアドバイス、新薬の治験情報や研究など元気が出る話題を個人が集めたブログです。 <免責事項>本ブログは特定の治療法や薬の使用を推奨するものではなく、このブログの情報を利用した結果について筆者は責任を負うことはできませんのでご了承ください。

友人たちの闘い(前編)

Nori

  • 以下の手記は、オハイオ州にお住まいのノリ・ショウジさん(日本風に言うとしょうじのりこさん、でしょうか?)によって書かれたものです。出典は PanCAN Newsletter 2005年10月号です。
  • 写真は左からタンロス・ベカリ=サーブ医師、ビル・ホール氏、ノリ・ショウジさんです。


ノリ・ショウジ、オハイオ州コロンブス

トチの実(オハイオ州の愛称)のことをご存じですか? 「キラーナッツ」とも呼ばれるこの実は、頑丈な殻に包まれた小さく固いナッツで、中の芯には毒が入っています。でもこの実はオハイオ州の住人にとっては特別な意味を持っています。ビル・ホール副学長はオハイオ州立大学(OSU)の学生部の部長ですが、彼こそ「トチの実」と言われるにふさわしいでしょう。ビルは愛情深く献身的で、世界的に優れた学びの場であるOSUへの誇りを持っています。それだけでなく、ビルは膵臓がんに対する勇気ある戦いも成し遂げたのです。


2004年12月、ビルは膵臓がんと診断されました。診断された時には病気は肝臓に転移していました。ビルは現在積極的な化学療法を行っていますが、このような病気にもかかわらず彼の不屈の精神は彼だけでなく彼の周囲にいる人にも道標となっています。ビルの前向きな態度は、学生部のスタッフや同僚が、部長と連絡が取れない時でもこの仕事で彼が目指していたものを実現しつづけていくような機会を求める意欲をかき立てました。ビルはこの病気にかかる前はいつでも連絡が取れ、疲れることなく働き続ける人でした。色々な意味でビルの病気によって私たちは一般的な水準を超えて仕事をするようになりましたし、最も大切なことは、彼と一緒に病気と闘うようになったのです。


ビルと個人的また職業的に付き合いのある人々それぞれが自分なりのやり方で、彼のがんとの戦いにおける共同戦線の貴重な仲間となりました。12月にビルの診断がつくと、大学のコミュニティはすぐに一つになってビルの人生をたたえ、支えるために走りだしました。1月の下旬、学生部ののスタッフと学生たちは毎年行われる24時間募金活動の中の1時間を割いて「ビル・ホールの時間」を作ったのです。皆がこぞって募金したので、1時間で5000ドル以上が集まり、これが元になってOSUメディカルセンターのジェームズがん病院の中に膵臓がん研究のためのビル・ホール基金が作られました。スタッフの中には、2週間に1度のビルの化学療法に一緒に行った人もいました。それに加え、膵臓がんという病気をできるだけ広く知ってもらう広報活動とビルを支える活動は、現在も盛んに行われています。
後編につづく)

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