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膵臓癌闘病記や生還者のアドバイス、新薬の治験情報や研究など元気が出る話題を個人が集めたブログです。 <免責事項>本ブログは特定の治療法や薬の使用を推奨するものではなく、このブログの情報を利用した結果について筆者は責任を負うことはできませんのでご了承ください。

グルフォスファミドのこと

glufosfamide

すい臓がん治療に効果が期待されている新薬グルフォスファミド glufosfamide について、当サイトでも調べてみました。(専門家ではないので情報の確度は保証できませんが‥Setochanさんの記事によると、そもそも個人発信のブログはあまり信用しない方がいいそうです!)


先月発表されたニュースによると、グルフォスファミドは、すい臓がん治療薬としてアメリFDAから希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定され、開発促進が決まったそうです。この薬は、日本でも今年臨床第一相試験(十数人を対象に安全性と安全用量を確認する試験)の開始が予定されているとのこと(参考)。


グルフォスファミドは、骨肉腫などのがんに使われてきたイホスファミド(イフォマイドR)という薬を活性化したものに、ブドウ糖を結合させて作られています。がん細胞はブドウ糖を取り込みやすい性質があるので(PET検査の原理ですね)、抗がん剤が優先的にがん細胞の中に入るように設計されているそうです。また、グルフォスファミドはゲムシタビン(ジェムザールR)と違う系統の薬なので、ジェムザールが効かなくなったすい臓がんの方に対しても有効性を示す可能性があるそうです。


くわしい情報は米国スレショルド社のこのページに出ています。これまでの臨床試験(治験)では、同じ系統の薬に比べて腎臓やぼうこうへの副作用がずっと少なかったとのこと。


このホームページで嬉しいのは、第1相試験で劇的に効いた方(一名)のCT写真を出しているところです。


左の写真の赤丸部分(局所進行すい臓がん)がグルフォスファミドの治療後完全に消えています。この方は治療終了後5年を過ぎても再発なく過ごされているそうです。第2相試験ではここまで効いた人(寛解)はいなかったそうで会社も「この結果がすべての人に当てはまるわけではありません」と書いていますが、いま闘病中の方が完治をイメージする材料としては最適ではないでしょうか?


追記(2007/1/16)ーこの薬の日本国内での治験がついに始まりました。プレスリリース


追記(2007/3/16)ースレショールド社のプレスリリースによると、ジェムザールが効かなくなった膵臓がん患者にグルフォスファミドを単剤で使った第3相試験の結果が先月出ました。無治療に比べると少し生存期間が延長したようですが、はっきりとした差は出ませんでした。スレショールド社は現在、ジェムザールとグルフォスファミドを併用した化学療法の第2相試験を行っているそうです。

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