やぶいぬ応援団

膵臓癌闘病記や生還者のアドバイス、新薬の治験情報や研究など元気が出る話題を個人が集めたブログです。 <免責事項>本ブログは特定の治療法や薬の使用を推奨するものではなく、このブログの情報を利用した結果について筆者は責任を負うことはできませんのでご了承ください。

「がんの治療だって日常生活の一部さ」

Sandoval


お久しぶりです。今日は、アメリプロフットボールNFL)のスタッフであるリッキー・サンドバルさん(46歳)の膵臓がん闘病の物語をお伝えします。


サンドバルさんはちょうど1年前にステージIVの膵臓がんと診断されました。それから1年、サンドバルさんは決してあきらめませんでした。毎週1度の抗がん剤治療を続け、しかもデトロイト・ライオンズチームの保安部長としてのきつい仕事も続行したのです。その勇気ある戦いに、ライオンズは2006年の「エド・ブロック敢闘賞」を選手以外の人としては史上初めて、サンドバルさんに贈ることを決定しました。(すべてのNFLチームは、この敢闘賞を毎年1人に贈ることになっています。)


写真はデトロイト・ライオンズ公式ページから。右がサンドバルさんです。


彼の勇気ある闘いについて、数多くの記事が書かれています。Staffer's cancer battle inspires Lions (USAtoday)など。今日はその中の一つを抜粋翻訳してみます。

Cancer treatment just part of his day「がんの治療だって日常生活の一部さ」(startribune.com)


月曜日早朝、リッキー・サンドバルはデトロイトのカルマノス癌研究所病院にいた。携帯電話が鳴った。「いまは話ができない」とサンドバルは電話に向かって言った。彼はデトロイト・ライオンズの保安部長である。「いま抗がん剤を打っているところなんですよ。でも明日9時過ぎなら仕事場にいますから」


そして火曜日の9時1分、こちらの電話が鳴った。


「リックです。こんにちは」とサンドバルの声がした。「昨日はすみませんでした。ここの医者は抗がん剤を打つときにベナドリル(抗ヒスタミン系の睡眠導入薬)を使うんですよ。これを飲むと眠くなってね。昨日電話をもらったときにはぼーっとして話をするどころじゃなかったもんで。」


そんな風に言われたらどう返事をすればいいのだろう?「こちらこそ治療中にすみませんでした」というのが正しいのだろうか。それからおずおずと、「どうして化学療法中も携帯電話の電源を切らないんですか?」と聞いてみた。


「仕事で緊急の電話がかかってくることが良くあるんですよ」というのが返事だった。


どのチームのNFL保安部長も同じだが、サンドバルの仕事はグラウンド外で選手やコーチに突発的に起こる事態に対処することである。ニュースを見ていれば、これが1日24時間週7日一時も気を休められない仕事であることはすぐに分かるだろう。


サンドバルは語る。「昔の人は言いましたよね。コーチは教えてれば良い、選手はプレーしていれば良いって。」「そんな風に、皆が自分の本業だけに集中できるようにするのが私の仕事なんです。」


・・・


サンドバルさんとご家族が作るブログはこちらです。最新のサンドバルさんからのメッセージを翻訳します。

5/25/07
ちょうど1年前の今日、僕は10回目の診察に臨んでいた。体のどこに異変が起きているのか確かめるため、僕は何度も何度も診察を受けた。胃酸の逆流だと思っていた。2週間のあいだ数多くの医師や専門医にかかり、そしてついに5月30日、本当の診断がわかった。「あなたはガンにかかっています」と言われた時は、何トンものレンガが頭の上に落ちて来たようなショックだった。自分を立て直して、くわしい内容を聞けるようになるには少し時間がかかった。そこから、僕たちのジェットコースターのような戦いが始まった。僕たちはこれまでのところよく闘っている。「僕たち」と書いた理由はーこれを読んでいる皆さんが、この戦いに力を貸してくださっているからだ。小さなことも大きなことも力になっているー電話やカード、回復の祈り、そして僕のためにしてくれていることのすべてが。


僕たちは2年目の戦いに突入した。がんは今のところ進行が止まっているし、お蔭様でとてもありがたいことだと思っている。僕たちは毎週の化学療法を続けていく予定だし、これでがんをくい止められればと思う。この先新しい治療が出てくれば、そして僕の意志があれば、僕の体からがんを追い出すこともできるに違いないと思っている。


生存一周年記念に僕ができることはと言えば、皆さんに感謝の言葉を伝えることだけだ。残念ながら全員の名前をここに書くことは不可能だーそんなことをしたらパルプにする木をあと5本ほど切り倒さなければいけない。でも、フェニックスに住んでいる僕の家族(毎日連絡をくれた)にはお礼を言っておきたい。弟のスティーブ、毎日僕のことを気づかってくれてありがとう。君がいてくれて本当によかった。妻のガエルの家族にも感謝しているー特に僕たちが一緒に食事をする時はいつも不思議とそこにいてくれたダグ! (デトロイト・ライオンズのオーナーの)フォード家の皆様、それからライオンズの皆(マット、トム、マーティン)にも・・本当にありがとう。いつも僕のために動いてくれたミスターD、ありがとう。ジェフ、きっと君は毎日の電話がどれほど僕を勇気づけてくれたかわからないだろうね。マーシー、君は僕の太陽だ。そしてガエル、君がいなかったら、君の愛と支えが無ければ、絶対に僕はここまで来られなかっただろう。君はこの闘いのあいだ中いつも戦士だった。君は僕のすべてだ。心から愛しているよ。あと36年間一緒に添い遂げるって約束したからね、楽しみにしてるよ。


皆さん本当にありがとう。


リックより

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