手術のタイミングを逃さないで
アメリカでは、ステージ1・2の手術可能な患者の半数以上が手術という手段があることを知らされないままになっているそうです。
NewsWireの記事によると、
早期膵癌の治療における「国家的失敗」(5/30/2007)
早期で手術可能な膵臓がん患者の半数以上が、生存期間を延ばす可能性をもったこの手術を受けていないということが今週『米国外科学会紀要』に掲載された調査により明らかになった。・・
ということだそうです。1995年から2004年までに米国膵癌患者登録機構に登録された早期すい臓がん患者9559人のうち、手術を受けたのは2736人(29%)でした。手術を受けなかった6823人のうち、403人は患者本人が手術を拒否した例でしたが、3644人(38%)は特に理由がないにも関わらず手術を受けていませんでした。手術を受けた人の切除成功率は96%でした。
「早期膵癌では手術が治癒への最短距離であるにもかかわらず、この病気に関する悲観的な見方が患者を手術から遠ざけてしまっている」とこの論文では結論づけています。65歳以上の人や健康保険が充分でない人、膵臓の頭部に腫瘍があったり小規模病院に通院している人の中には、手術ができることを教えてもらえない患者がいるようです。
日本の外科技術は世界でもトップクラスにあるそうです(参考)。日本の膵臓がんの方々が手術のタイミングを逃すことが無いように祈ります。
(参考)上記論文の梗概(PDFファイル、英語)