やぶいぬ応援団

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スタン・H・ターナー、7年たちました (後編)

前編よりつづく)


この頃、新しい抗癌剤「ジェムザール」がちょうど販売を開始したところでした。私の担当の腫瘍内科医はまだ一度もジェムザールを使ったことがなかったのですが、私の場合、彼女の言葉を借りるならば「失うものはなにもないでしょう?」という状態でした。私は腫瘍内科医に「先生はジェムザールを入手するのが間に合わないんじゃないですか」と言ったので、彼女は早速その薬を注文して治療を始めてくれました。


最初の1年が過ぎたところで、腫瘍内科医は外科医を説得してもう一度私がウィップル手術を受けられるように手配してくれました。そこでもう一度手術に臨んだのですが、結果は同じ、癌は摘出できませんでした。


私はそれから、4年間治療を行いました。正確に覚えているかどうか分からないのですが、おそらく150回点滴に通ったと思います。ここまでの間には色々なことがありました。腎結石、赤血球数、それから誰にでもある高齢化。いちばん最近の障害物はメラノーマでしたが、これは手術で取りきれたそうです。「メラノーマについては心配いらないよ」とのことでした。


今では、半年に1回CTを撮影しています。私としてはもっと頻繁にCT検査を受けたいのですが、腫瘍内科医にはそのつもりはないようです。抗癌剤も止めたくなかったのですが、彼女に「スタンさんのへその緒を切りましょうね」と言われてしまいました。

 
これで私の話はおしまいです。この話が他の人にも希望を与えるかもしれないと思っています。まだ私のすい臓には影が1つ残っていますし、将来のことは予測できないので、私としては希望を持って祈るしかありません。私にはわかりません。私に効いたものが他の人にも効いてくれることを願っています。何が私に効いたのかお話できればよいのですが、私にはわからないのです。先生たちにもわかりませんでした。先生たちの言葉によれば、「奇跡が起きることを信じなさい」とのことでした。なぜなら、先生たちは奇跡が起きるところを実際に見てきているからです。こうした勝利が、先生たちが働くためのエネルギーになるそうです。


(追記:ターナーさんは、診断から10年が過ぎた今でもお元気です。現在の様子についてはこちらをごらんください。)

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