介護者のうつ
- PanCAN Newsletter 2004年7月号からです。
介護者のうつは「隠れた健康上の危機」と呼ばれ、がん患者を介護している人の60%がうつ状態になると言われています。もしあなたが介護者でうつ状態にあるなら、あなたのような人は世間に山ほどいると思ってください!
悲しみと不安を感じるのは正常な反応ですが、そうした気持ちがずっと続く場合は、「うつ」の一症状の可能性があります。うつの症状には次のようなものがあります:食欲の変化(亢進または低下)、睡眠の質の変化(睡眠時間が増える、途中で目が覚めてしまう、不眠)、今までは楽しめた活動に興味を失うこと、イライラ感、過剰に泣いてしまうこと、医学的な原因のない体のうずき・痛み、集中したり決断したりできなくなること、アルコールの乱用、自殺を考えること。
うつ状態にある介護者の多くは、助けを求めようとはしません。なぜなら、介護者自身が他の人を助けるのに忙しいからです。しかし、うつ状態になった介護者にとって医師や心理療法の専門家にかかることは大切なことなのです。医師はうつを診断して、抗うつ剤や心理療法を処方したりすることができます。うつを抱えた介護者への治療は、効果があることがわかっています。
うつに対処しようとしている介護者のためのヒントを以下にまとめました。
・何か楽しいことを、毎日やりましょう。自分のために時間を作ることはとても大切です。
・いい睡眠を取りましょう。テキサス大学の調査では、不十分な睡眠とがん患者の介護者のうつの間には関係があるそうです。
・運動をしましょう。適度な運動は、うつの影響を減らすことがわかっています。自分が楽しいと思える運動ならどんなものでもよいのでやってみましょう。お友達と散歩に出かけるのはどうですか? 周りから支えられていることを実感できますよ。
・毎日の「しなければいけないこと」を、現実的なものにしましょう。大目標を小さな「ミニ仕事」の束に分けてみましょう。
・家族や友人に助けを求めましょう。家族や友人たちに手伝わせてあげましょう。
・忠告やアドバイスなしに話を聞いてくれる友達をさがしましょう。自分の気持ちに、自分一人だけで対処しなければいけないわけではありません。
・うつは一瞬で消えるわけではないことを理解してください。だんだんに良くなっていくと思ってください。抗うつ薬をのんでいる場合は、薬が効いてくるまでに数週間かかることがあるでしょう。
・自分の属している社会の外に助けを求めてみましょう。家族にがん患者を抱えている他の人にもコンタクトしてみましょう。心の支えと励ましをもらえるかもしれません。
(後略ーPanCAN連絡先)