デビッド・D、破産はしたけど生きています
- 「5年が過ぎました。わたしは破産してしまいましたが、まだ生きてます!」
- PanCAN Newsletter 2004年7月号からです。
デビッド・D、ケンタッキー州パドゥーカ在住
1999年、わたしは胸焼けとでもいうような胃腸の問題を抱えるようになりました。「ローレイズ」をのんでも「タムズ」をのんでも効かなくなってしまったので、かかりつけ医に行って、胃腸内科専門医を紹介してもらいました。わたしはそこで胆石と診断され、手術を受けました。その後少し調子は良くなったのですが、胸焼けはまだ続きました。医者は超音波検査をして、膵臓にのう胞があるようだね、と言いました。医者はつづけて、胆石が膵臓を刺激してのう胞ができることがあるんだ、と言いました。そこでわれわれは、試験的に腹腔鏡検査を行い、可能なら続けてウィップル手術をしてのう胞をとることに決めました。7〜8時間予定の手術が、1.5時間の手術になってしまいました。つまり、ウィップル手術はできなかったのです。医師団は、わたしの病気をステージ4のすい臓がんと診断しました。
手術を終えて、妻と一緒にわたしの病気が何であるのかの説明がありました。もちろん、誰でもそうだと思うのですが、わたしは打ちのめされてしまいました。ただしわれわれは「よし、それならこの状況での次の一手は?」という態度でいたのです。妻はわたしに言いました。「あなたがガンだということはわかったわ。でも家に帰らなくちゃ、だってうちのゴミ出しをしなくちゃいけないのよ。」
わたしの治療は、6週間の放射線治療でした。抗がん剤治療は、ジェムザールと5-FUの組み合わせを週に1度、通常水曜日に行うというものでした。
この体験を通して、わたしは人生ではいつ何が起こるか全くわからないということを学びました。今までは一度も気づかなかった小さなことを見つけられるようにもなりました。例えば、最近わたしは裏庭に鳥の餌台と巣箱をいくつか作りました。さっそく、つばめのつがいが巣箱の一つを占領しました。それまでは、わたしは鳥が巣を作るやり方や巣の材料のことなど何も知りませんでした。今ではわたしはそうしたことをよく観察するようになりました。もう一つわたしが学んだことは、何が起きても、それを時間をかけて受け止めなさいということです。変に聞こえるかもしれませんが、ちょっと人生のスピードを落としてみましょう・・・そうして、ここからどうするか自分で決めるのです。
今では、診断前にしていたことはたいていできるようになりました。一つだけ、残念なことにフルタイムで働くことはもうできなくなってしまいましたが。それでもわたしは外に出て庭の芝刈りをし、ちょっと工作をしたり、魚釣りをしたり、旅行をしたりしています。
他の人へのアドバイスは、あなたの病気は誰のせいでもないということです。もちろんあなたのせいでもありません。あなたが何か間違ったことをしたというわけではありません。あなたは、これからこの状況にどのように対処していくか自分で決めることができるのです。大変な決断だということはわかります。でも、その中で何かユーモアを見つけるようにしてください。きっと役に立つでしょう。
わたしが診断を受けたとき、医者はもし生命保険や年金に入っていたらそれを現金化して楽しいことをして過ごしなさいと言いました。わたしたちはその通りにしました。そうして5年が過ぎました。わたしは破産してしまいましたが、まだ生きてます!!!!!!! というわけで、一つ覚えていてほしいのは、確率の壁は破ることができる、だからあきらめないでやってみようということです。わたしはそうして生きてきました。
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