やぶいぬ応援団

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ロジャーの話「まだ生きてますよ!」(後編)


膵臓がん:ロジャーの体験(続き)
ガンなんてちっとも楽しいもんじゃありません。ガンはほんとに、本当に怖い。それでね、私がかかった腫瘍内科医は、あなたには化学療法が必要ですとこう決めたんですよ。だから私は28日サイクルの化学療法を12ヶ月受けることになった。4日間が点滴で24日間が休みです。わかってますよ。医者が私の体に入れたマスタードガスの量があれば、うちの田舎の住民全員を殺せるって ー ものすごい量なんだ! でもこれを体験した人だったら、抗がん剤治療がどんなものかわかっているでしょう。楽しいなんてもんじゃない。とにかく何にもできなくなってしまうんだから。


笑えることもありましたよ。まず最初の週の治療に行かなくちゃいけない ー 抗がん剤の1週目は、すっかりぶちのめされてくたくたになってしまいました。2週目は、ほんとにめちゃくちゃな下痢が来たんですよ。3週目は屁ばっかり出て、4週目になってやっと大分良くなったと思ったらまた1週目から繰り返しですからね。それが12ヶ月続いて、化学療法はえーと、2001年になるかな、次の年の2月に終わりました。今は2001年の12月でしょう、私はまだ生きてますよ。うちの腫瘍内科の先生はかわいそうにまだ一人の患者もすい臓がんから救ったことがないんです。私はそれが間違いだって先生に証明してやるつもりなんです。私も一生懸命ですよ。


「どうして俺なんだよー」ってガンになったら誰でも考えると思うんですよ。でもね、「どうして俺か」じゃなくて、たまたま起こってしまったことなんです。それで神様を信じる気持ちをしっかり持って、本当に愛情あふれる奥さんがいればね、どんなことでも切り抜けられるんです。


私はね、今はもう大体すっかり調子いいんですよ。これは、ずっと神様を信じてやってきたことと、かみさんと結婚したこととそれから今やっていることのおかげだと思ってます。今では前と同じぐらい動けるようになってきました。実は今シルバー・ボランティアに参加して、小学生に読み書きを教えてるんです。人生でこんなに楽しかったことはなかったね。ちっちゃい子供たちを見てると、人生という贈り物に感謝する気持ちに自然となってくるからね。9月から始めて、今年は1年間これをやるつもりなんだ。まったく、子供たちが俺から教わっているよりもずっと俺の方が子供たちから教えてもらってるね。子供ほど素敵な生き物は他にいないよ。


私はただもうずっとがんばるつもりですよ。神様がチャンスをくれたからね。同じ状況にいる人がいたら、こう言ってあげたいですよ。「元気を出して、ちゃんと食べて、いい仕事してればきっといい見返りがあるよ」ってね。私と同じ問題を抱えていなければいいなと思います。私は心の中の葛藤がすごかったですよ。それがどうしてなのか、私が年を取っているからか(笑い)ガンにかかっているからか分かりませんけどね。でも私が自分の身に起こったことについて長い間まったくしゃべれなかったというのは本当です。でもね、自分がまだ生きている、そしてこれからも生きていくんだっていう感覚はほんとにすごく気分がいいですよ。それにほら、今ちょうど腫瘍内科の先生が間違ってるって見せつけてやるところだし。先生にはね、年寄りだってこの病気に勝てるんだってことを教えてやるんですよ。あの世に行く前にまだやることがいっぱいあるしね。孫だって育てなくちゃいけないし、もうちょっと人生を楽しまなくちゃ。ここで止めるわけにはいかないね。


とにかく、自分がまだ生きている、そしてこれからも生きていくんだって感じるのはすごく気分がいいもんです。今までに4回CT検査を受けました。今月20日にはもう一回受けることになってます。今までと一緒、今度の検査もきっと問題なしで帰ってこれると思いますよ。私はこれからサバイバーになります。何か助けてほしかったら連絡をください。私がここにいるのはそのためです。神様はそのために私をここにつかわしたんですからね。

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