どうして抗がん剤治療をするの?
Johns Hopkins Online Discussion Board は、膵臓がん患者・家族のための掲示板です。治療についての話だけでなく、家族の楽しいニュースを共有したり、あるいは悩みや愚痴を吐き出す場所としても使われています。
一つの例を挙げましょう。シャノンさんという方が、父親が膵臓がんと診断されたときのやりきれない気持ちをぶつけています。(原文)
08/22/2006 自分が何をしているのか分かりません、投稿者 シャノン
8月3日に父がステージ4のすい臓がん(肝臓に数カ所転移)と診断されて以来、私はあらゆる統計も専門家も治療法についてもくまなく調べました。どうして抗がん剤治療をしなきゃいけないのか教えてもらえませんか? 治らないとしたらどんな意味があるんですか? 1ヶ月寿命が延びるかもしれません、でもそれ以上のことは私には分からなくなってしまいました。ここまで読んでくださってどうもありがとう。
これに対してたくさんの方が返事を寄せ、シャノンさんを励ましています。いくつかを紹介します。
08/22/2006 シャノンさんへ、投稿者 匿名
(前略)お父様が治療を始めたとしても、毎日の生活の状態がお父様にとってあまり嬉しくないということになったら、いつでも治療を止めることができますよ。(後略)
08/22/2006 なぜ治療を続けるのか、投稿者 匿名
私の父は2004年10月に診断されました。私も最初はシャノンさんと同じように思ったことを良く覚えています。そう、父は治療を受けましたが、長く生きられるとはあまり思っていませんでした。でもそれは私の間違いでした。父は最初の孫(私の甥っ子ですね)が2005年1月に生まれるのを見届け、その年の4月には私の結婚式に出席し、2006年1月には孫の1歳の誕生日を一緒にお祝いして、それから、初めての女の子の孫と今年10月に対面するのはたぶん確実です(あと8週間です‥‥私が妊娠しているので)。私たちは休暇に何回か家族旅行に行くこともできましたし、ゴルフをしたり週末のお出かけは数えきれないほどしました。私の間違いで良かったです! 誰も予想しなかったほど長生きしたというだけでなく、毎日の生活も比較的いい状態で過ごせています。父は現在ゼローダという飲み薬を2週間のんで2週間お休みというサイクルを続けています。このやり方は父にはとても良かったと思います、なぜなら飲み薬だし、その間に父の静脈も待望のお休みをとることができるからです!
もう一ついきましょう。
08/22/2006 お気持ちよく分かります、投稿者 匿名
たぶん家族がすい臓がんとわかったら誰もが同じような気持ちを経験すると思います。私も自分がパニックになって、情報を必死で調べれば調べるほど気持ちが限りなく落ち込んでいったのをありありと覚えています。今でもたまにその時のことが思い出されて苦しいです。
でもそれは2004年のことです ー 父は最初に医師から言われた6ヶ月という数字よりずっと良い結果を出しています。その間に父は一番下の孫の小学校入学を見届け、孫の勉強を見てやり、下の娘の結婚式に出席し、父の日を3回もお祝いし、誕生日を2回クリスマスも2回迎え、子供たちと毎日電話で話をしています。
悲しいことに人は誰も自分が地球上にどれだけ滞在できるのか知りません。父の診断後、父の友人のうち3人の方が病気や事故に倒れて亡くなり、「健康」だったその方たちより父の方が長生きしてしまいました。
この病気がひどいことは確かです。シャノンさんを変に誤解させるつもりはありません。決断ができるのはシャノンさんのお父様だけです。でも私たちは、治療のおかげでかけがえのない思い出を作ることができました。
当サイトには、たくさんの膵臓がん克服者の闘病記が載っています。ひとつ言えるのは、どの方も何らかの治療を受けているということです。膵臓がんは展開が早く、医学的治療をせずに闘えるような楽なガンではありません。どうか蜘蛛の糸を自分から切るようなことはしないでください。あなたのことを心配しているたくさんの人がいるのですから・・
追記 - 他の、闘病中に壁にぶつかった時のための記事をここにまとめました。
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