やぶいぬ応援団

膵臓癌闘病記や生還者のアドバイス、新薬の治験情報や研究など元気が出る話題を個人が集めたブログです。 <免責事項>本ブログは特定の治療法や薬の使用を推奨するものではなく、このブログの情報を利用した結果について筆者は責任を負うことはできませんのでご了承ください。

ジーン・S「どんな時でも、希望はあります」

JeanS

  • 今日は最初手術不可能だった膵臓がんを克服したジーン・Sさんの手記です。ジーンさんは1年にわたり、臨床試験(治験)も含めゼローダ+放射線→ゼローダ→ジェムザール+エロキサチン(オキサリプラチン)→ジェムザール+タキソテール→タルセバという治療を受けた後、ついに手術を受けることができました。
  • ジーンさんは抗がん剤治療を外科で受けたようですね。
  • 本文中で、ジーンさんが外科医から「PanCANのホームページだけを見て、他のページは見るな」と言われたという話が出てきます。主治医の思いやりが感じられる言葉ですね。(ええ、当サイトの宣伝です(笑))
  • 出典は PanCAN Newsletter Apr 2006 です。(写真はジーンさんと夫のハロルドさんです)


ジーン・S、アラバマ州クロッペル

私の話が他の方々の希望となることを願って筆を執ることにします。私の闘病中にはあまり希望が無かったものですから‥‥


私は看護婦を早くに辞め、家でもっぱら植木仕事に精を出していました。夫は心臓内科医をしており、我が家は美しい湖(散水用の水もそこから取っていました)のほとりにあって4エーカーもの広さの庭がついていました。うちにはバラが300本以上も植えてあり、何百ものつつじ、椿、日本のカエデ、それから何千ものさまざまな草花がありました。ガーデニングは私たちが最も情熱を傾けていたものです。他にも湖にヨットを出したりワインを楽しんだりもしていましたが。


この病気のそもそもの始まりは、診断の18ヶ月前から始まった便通の変化でした。私はこれをコーヒーのせいだと思っていました。やがて腹部の左側中央が痛くなりはじめたのです。今度は私はガーデニングで働きすぎたせいにしていました。その間に私は50歳になり大腸内視鏡検査を受けましたが、異常はありませんでした。ですので痛みは続いていたのですが問題があるとは思わなかったのです。2004年春、私は自分が日中すぐに疲れてしまい体重が減ってきているのに気づきました。2004年6月9日、私は痛みにこれ以上耐えられなくなってしまいました。夫は腹部の超音波とCTの検査を予約しました。大当り! ありました、3.5cm×3.5cmの腫瘍が膵臓の体尾部にあり、胃の裏側に張り付いていました。私は外科医あての紹介状を書いてもらい、すぐ次の週に受診しました。何度か追加でCTを撮った後、外科医は「これは手術不能ですね。」と言いました。外科医のアドバイスは、痛みをとるための放射線治療でした。


外科医はつづけて、インターネットを調べてみること、それからPanCANのサイトを見てみるように言いました。他のサイトは見ないようにとも。彼は私をゼローダ(R)(カペシタビン)と放射線治療を行う試験に参加させ、7月から治療が始まりました。4週間後のCTでは腫瘍の縮小は認められませんでした。次に私はゼローダだけを9週間飲みました。11月のCTでは少しだけ縮小が認められました。この段階で、外科医はもっと積極的な抗がん剤治療を行うことにしました。彼はジェムザール(R)(ゲムシタビン)とエロキサチン(R)(オキサリプラチン)の治療を始めました。3月のCTとPET検査では劇的な縮小が認められました。このCTでだいぶ私にも夫にも外科医にも希望が出てきたのです。次に私はジェムザールとタキソテール(R)ドセタキセル)、続けてタルセバ(R)(エルロチニブ)を使いました。7月のCTとPET検査ではがんは無くなっていました! 手術ができることになったのです!


2005年8月11日、私は膵尾部切除術と脾臓摘出術を受けました。断端は陰性、リンパ節も陰性でがんの痕跡無しということになりました。


このがんにかかって一番良かったことは ー どんな時でも、たとえ医者から家に帰って人生の最後に何をしたいか考えてくださいと言われても、希望はあるのだということがわかったことでした。


私にとってこの病気と闘ったことは特別な体験でした。この病気は自分にどれほど多くの友人がいたか、そして友人たちがどれほど素晴らしい人々だったかを思い出させてくれました。放射線治療に行くのに全回車を出してくれた友人もいましたし、全部の病院受診にも、点滴治療の全部の回に車を出してくれた友人もいました。たった一人で病院に行かなければならなかったことは一度もありませんでした。自分に決してあきらめないだけの勇気があったことを感謝しています。今の時代、常に治癒に向けての最新治療の開発が進められています。私は幸運でした。本当に恵まれていたと思います。

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