「5年後のゴルフを今から予約できますか?」
- 十一年前、3人の医者に見放された一人の男性が、希望を糧に生還する物語です。
- 出典は PanCAN Newsletter 2001年9月号です。
ワシントン州スポケーンのエディー・バーンズさんは、膵臓がんを5年半前に克服した人です。彼の闘病記を掲載します。
1995年のクリスマスの2日前、エディー・バーンズは家に帰された。3人目の医者は休暇に行ってしまった。家に帰るということは「あなたは末期ですよ」というメッセージだったのだ!
クリスマスにはたいした行事はなかった。エディーははっきり覚えている。自分の葬式にどんな曲を流すか、どの聖句の話をしてもらうか、そんな計画をたてていた。
1月10日、エディーは一人の腫瘍内科医にかかり、その医師はワシントン州スポケーンに引っ越してきたばかりという一人の医師を紹介してくれた。その医師が「ウィップル手術」をしてくれたのだ。エディーはいまでも思い出す。その医者の腹の縫い目がどれほど完璧だったか! まるで、優秀なお針子でいつも自分の縫い目を自慢していた祖母のようだった。手術を受けたとき、エディーは医師に自分の生存確率がどれだけあるか尋ねた(いつもあの「末期」という言葉が頭にあった)。医師は言った。「娘さんによると、あなたはゴルフがお好きだそうですね。」もちろんですよ、とエディーは答えた。医師はそれに対して、5年後のゴルフの日を今から予約できますか?…2001年に、と言った。エディーはうなずいた。この出来事がどれだけエディーの気持ちを上向かせてくれたことだろう。
それ以来、エディーは何人もの医者や看護婦に、エディーさんは私たちの知っているただ一人の膵臓がんからの生還者ですよと言われた。エディーはこう語る。僕にはいくつも幸運な面があったが、一番の幸運は自分に「希望」をくれる素晴らしい医者に出会ったことだね。
話を5年半早送りして ー エディーの主治医は、5年間再発なしのお祝いにケーキと風船を送ってエディーをびっくりさせただけでなく、ごく最近行われたコーダレーンの美しい豪華ゴルフリゾートでのゴルフデートに、放射線技師二人と一緒に参加してくれたのだ。
エディーの顔には、今まで誰も見たことがないぐらい大きな笑みが浮かんでいる。彼の心には、新しい人生観と、断固とした信念、すなわち神が自分をこの世に残してくれたのは、同じ診断を下された他の人々に「希望とインスピレーションを与える」というその目的のためだという信念が宿っている。
写真ー膵臓がんを克服したエディー・バーンズは、がんを克服した他の人々とともに、アイダホ州コーダレーンで行われた『リレー・フォー・ライフ』イベントで最初の一周を歩きました。このイベントには5000人を越す人々が集まりました。
■