すい臓がん予防に朗報ービタミンＤ

一日必要量のビタミンＤを摂ることですい臓がんの危険性を半減させることができるという研究結果が発表されています。（ニュース原文はこちら、「癌の情報Tips」に詳しい解説が載っています。）

ハーバード大学とノースウェスタン大学の数十年間、十二万人にわたる調査で、毎日の食事でビタミンＤを1日150〜300IU（国際単位）摂っている人はそれ以下の人に比べてすい臓がんの発生率が25%減少、450IU摂っている人は43％減少していたそうです。450IUというのはアメリカでの一日推奨摂取量ですが、これ以上増やしてもさらにすい臓がんのリスクが減ることはないとのこと。

すい臓がんの発生率は１年に日本人全体の0.02％以下（約２万人）だそうですので、一般の方は無理に多くビタミンＤを摂る必要はないと思いますが、家族にすい臓がん患者が多いなどのリスクがある方は毎日の食事を見直してみてもいいかもしれません。なおビタミンＤには異常血管新生を阻止する作用もあり、大腸癌や乳癌の予防にも有効だそうです（参考）。

※追記ーここでのビタミンＤの効果はすい臓がんを予防するということであり、いったん発生したがんを治す効果があるかどうかはわかっていません。またある専門家の話では、この研究は食事の中に含まれているビタミンＤを測定したものなので、サプリメントとしてビタミンＤをのんだ時にすい臓がんのリスクが減るかどうかは不明だそうです。「ビタミンＤを多く含む食事」をふだんから摂っている人は、全体に食事が「健康的」という可能性もあります（肉より魚を食べる量が多いなど）。