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膵臓癌闘病記や生還者のアドバイス、新薬の治験情報や研究など元気が出る話題を個人が集めたブログです。 <免責事項>本ブログは特定の治療法や薬の使用を推奨するものではなく、このブログの情報を利用した結果について筆者は責任を負うことはできませんのでご了承ください。

統計はつねに向上している

膵臓がんで手術を受けられた方々に、飛び切りの朗報をお知らせしたいと思います。以下の新聞記事によれば、膵臓がんの手術成績は近年大きく向上しており、さらに、65歳以上の方は手術後5年生きればそのあと平均寿命と同じだけ生きられる可能性が出てきているそうです。


膵臓がん手術後の5年生存者(65歳以上)は他の人々と同様に長生きできる (1月11日、Science Daily)


新しく発表された研究によれば、65歳以上で手術後5年以上生きた患者が更に5年生きる確率は、同じ年齢層の他の人々とほとんど変わらないそうだ。
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トーマス・ジェファーソン大学の調査によれば、1970年から1999年に膵頭十二指腸切除術(ウィップル手術)を受けた890人のうち201人が5年後も生存していた。少なくともその半数は手術時65歳以上であったが、70歳を迎えたこれらの人々が更に5年後も生存していた確率は65%であった。同じ年齢の人口で調査すると、5年生きる確率は約87%である。


この研究を主導したジェファーソン医科大学外科主任教授のチャールズ・イェオ氏はこう語る。「十年前、外科医の多くは膵管がんを手術する意味はあまりないという立場でした。手術しても余命の延長や生活の質の向上にはつながらないと考えられていたのです。少し前までは、手術後5年生きる人もあまりいませんでした。今ではそれは間違いです。この病気についての治療法やアプローチには、常識を覆すような変化が起こっているのです。」
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「一般の方々は『膵臓がん』と聞くと望みも治療手段もほとんどないと思ってしまうようです。ここでの良い知らせは、新しい画像診断法や、早期で発見される人が増えていること、リスクの高い人々をスクリーニングする技術が改善していること、そして新しい治療法が次々登場していることもあって膵臓がん医療が実際大きな進歩を遂げているということです。膵臓がんという言葉は、もはや死刑宣告ではなくなっているんですよ。」
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参考資料として、学術文献になりますが膵臓がん手術後のゲムシタビン(ジェムザール)治療に関する大規模臨床試験の論文抄録を挙げておきます。手術後にジェムザールを使うようになって再発率は大きく下がったそうです。


上の写真は昨年のPanCAN シンポジウムに集まったアメリカの膵臓がん克服者の方々42名です。こんなにも大勢の人がサバイバーとなっているんですね。きっと次はあなたの番ですよ!(9月29日の記事でご紹介したケイ・Kさんの笑顔も左の方に見えますね) 


統計に関する以前の記事、「平均余命は神のお告げじゃないー「気づき」で進化学者が癌から生還した話」もご覧ください。

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