やぶいぬ応援団

膵臓癌闘病記や生還者のアドバイス、新薬の治験情報や研究など元気が出る話題を個人が集めたブログです。 <免責事項>本ブログは特定の治療法や薬の使用を推奨するものではなく、このブログの情報を利用した結果について筆者は責任を負うことはできませんのでご了承ください。

T・Mさんの記録

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11月はすい臓がん啓発月間です*1

先日の呼びかけに対して、すい臓がんサバイバーのTM様から闘病記をいただきました! 早速ありがとうございます。


TMさんは60歳代の患者ご本人です。自覚症状もないうちに人間ドックの超音波検査で異常が発見され、専門病院に転院して手術を受けることになりました。青天の霹靂だったそうですが、膵頭十二指腸切除術を受けて生還されました。『膵癌術後やっと、9ヶ月になります。まだまだ、サバイバーというには早すぎるのですが、膵癌はどこを検索しても暗いことが多いですが、しかし、早期発見ということであれば、まだ、可能性も残されているのではと感じています。』今回送ってくださった記録は、病期や手術内容などひじょうに詳細なものです。また、癌の患者会に参加したり、セカンドオピニオンを受けるなど、こうした積極的な姿勢が生還を呼び込んだのではないでしょうか?


TMさんへの応援メッセージなどありましたら、ぜひコメント欄にどうぞ! また、当サイトでは闘病記もまだまだ募集しています。2月9日の用紙に記入していただいても良いですし、自由に書いていただいてももちろん構いません。他の人の状況がわかると心強いですし参考になりますね。あなたの勇気と経験を少し分けていただけないでしょうか。(この他の「日本にも生還者が」のシリーズはこちら


では、ここから。

<基本情報>
・お名前またはペンネーム:T・M
・患者本人ですか?: はい
・患者の性別:
膵臓がんと診断された年:2007年 2 月
・その時の年齢(何歳代):60歳代
・告知された内容(病名、病期ステージ、組織型、転移、余命など):
  浸潤性膵管癌・ステージ2(腫瘍8mm) (リンパ節転移 1)
・糖尿病や膵炎にかかったことはありますか。また、ご家族やご親戚に膵臓がんの方はいますか。過去に大きな病気は?  いいえ


<診断まで>
・診断される前に、どんな症状がありましたか。黄疸や体重減少、痛みはありましたか。  全く症状無し。1月に人間ドックのエコーで膵管拡張を指摘され、CT/MRCPを受ける。その後、大学の専門病院へ転院。そして、検査入院。ERCPを受けるが、「入り口が狭くなっていて、検査が遂行できなかった」とのこと。外科へ転院。採血検査の結果、腫瘍マーカーCA―19−9,およびCEAは正常値であるが、エラスターゼ・リパーゼの数値が高いことがわかり、2月中旬に幽門温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)の手術を受ける。


・診断された時の心境は。  「全く自覚症状もなかったので、何かの間違いではないかと思った。」また、術前説明では膵管の入り口付近に腫瘍は存在しているようだが、良性の可能性もありと、説明された。


・ご家族の反応は?  とにかく驚いていたが、心身両面においてサポートしてくれた。


膵臓がんについて本やインターネットで調べましたか。その感想は?  いろいろ調べてみたが、非常に悲観的な内容のものが多く、益々暗くなり、暗澹とした気持ちになった。ただ、いくつかの闘病記サイトで膵癌でも、再発・転移せず日常を取り戻されているものが数件見つかり、これらによりホッとできた。


<治療>
・手術、化学/放射線療法などの有無とその内容、期間(具体的に)
  
手術:幽門温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)
  化学療法(抗がん剤): ジェムザール1000mg を2週間に1度投与されるが8回でこちらから申し出て、休薬とする。ただし、今後追加投与の見込み。
  放射線療法:なし
  その他の治療: なし


・かかった病院はどのように選びましたか?  書物・かかりつけ医・人間ドックを受診した病院などからの情報を総合して。


・選んだ病院に良いところ、悪いところはありましたか?
  手術に関しては概ね満足している。また、主治医は患者主体の医療を心がけているようで、こちらの質問等にも常に誠意を持って対応してもらっている。
  しかし、術中照射は「しない」ということで、こちらから希望しても無理な様子。病院間での格差を感じた。
  大学病院だからか、看護サービスが十分でなく、あまりいい思い出がない。また、退院後のサポート(栄養管理・癌患者会・闘病に関する情報サービスなどのケア)がなく、非常に不安であった。


臨床試験(治験)に参加しましたか?
  いいえ。(何も提案されなかった)


代替療法や健康食品、漢方薬などは使いましたか。
  はい。漢方処方・健康食品(これらは他の統合医療機関で処方を受けている)


・それぞれの治療の副作用は何かありましたか。どのように対処しましたか?
  ジェムザール投与後は微熱が出たり、血小板減少などの副作用はあったが、大きなダメージはでな
かった。
  漢方などに関しては、まだ、副作用は分からない。


・それぞれの治療の結果はどうでしたか(マーカーやCTなど)。また、再発と言われたことはありますか。
  毎月の採血検査では、今は特に異常は認められていない。また、6ヶ月後のCT検査においても腹・胸ともに異常なしとの診断。


<日常生活>
・食事や運動など、生活上工夫した点はありますか。
  退院後しばらくは消化のよいもの、油分の少ない食事を心がけた。(今も食事療法は継続中)
  初めは15分ぐらいから始め、今は週に4〜5回程度、30〜40分のウォーキングをしている。
  仕事は現在、休業中。


・治療中のお気持ちについて:落ち込んだり「うつ」になったりしたことはありますか。どう対処しましたか。
  何度も落ち込んでいるが、癌の患者会に参加して、他の癌患者の方々と話をすることで精神的に少し楽になった。


<介護>
・あなたの介護をしてくれたのは誰ですか? あるいは、一人で闘病しましたか。
  家族


・その他支えてくれた人はいましたか。
  友人達


<情報>
・あなたの情報源は何ですか? (本、ホームページ、患者会メーリングリスト、口コミなど)
  ホームページ・患者会での情報・セカンドオピニオン・本


<なぜあなたは長期生存者になることができたのですか?>
  比較的早期に発見できたようなので。


・自分に向けて一言お願いします。
  気を緩めず、しかし絶望もせず、今日あることを感謝して、生活していく。


・他のすい臓がん患者にアドバイスするとしたらどう言いますか?
  今はいろいろな治療法があるようである。情報を集め、諦めずにできる限りのことにチャレンジしてみることが必要ではないか。


・その他コメント:
  ワクチン療法・免疫療法などについてもいろいろ知りたいのだが、なかなか的確な情報が得られない。また、抗ガン剤などの術後補助化学療法についても各病院によって、薬剤・用量も異なっている様子。それらについての各医療機関の情報開示を期待している。

*1:写真は通信販売で買えるリボン・マグネット(車などに付けて使う)です。こうした取り組みが、膵臓がんの早期発見率を高める事につながればと思います。

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