やぶいぬ応援団

膵臓癌闘病記や生還者のアドバイス、新薬の治験情報や研究など元気が出る話題を個人が集めたブログです。 <免責事項>本ブログは特定の治療法や薬の使用を推奨するものではなく、このブログの情報を利用した結果について筆者は責任を負うことはできませんのでご了承ください。

オキノーム散のこと

「待望のオキシコドン速放剤」が昨年厚労省で承認されました。来月あたりから発売されることになりそうです。


オキノーム散でレスキュー、来年2月から使用可能 (日経メディカルオンライン)


2006年10月20日、癌疼痛治療薬のオキシコドン塩酸塩水和物(商品名:オキノーム散)が製造承認を取得し、12月1日薬価収載された。来年2月に発売の見込みである。オキシコドン製剤としては、既に経口徐放剤の「オキシコンチン錠」が発売されており、今回のオキノーム散は即効性の経口剤である。・・・


オキシコドンとは医療用麻薬の一種です。現在日本に存在する医療用麻薬でがんの 痛みに用いるものはモルヒネ(注射か飲み薬)・フェンタニル(注射か貼付剤)・オキシコドンの三種類があり、それぞれ化学構造が少しずつ違うため副作用や鎮痛効果に違いがあるようです。高齢の方や腎機能障害のある方には副作用の面からモルヒネよりオキシコドンが推奨されているそうです。


これまで、オキシコドンには注射薬か徐放剤(徐々に長く効く飲み薬)のオキシコンチン錠というものしかありませんでした。そのために、突然来る電撃痛・突出痛に対してはオプソ(モルヒネ)内服液などの系統の違う薬を使わざるをえなかったのです。これからは、電撃痛に対するレスキューとしてオキノーム散が使えるようになっていくと思われます。


それからもう一つ、医療用麻薬に対して誤解や恐怖感を持っていませんか? (「モルヒネは末期でしか使わない」など。) 誤解を解くための説明を、「がんの痛みネット」のここまたはこのページに見つけました。医療用麻薬は、上手に使えば膵臓がん闘病の強力な助っ人になります。(膵臓がんの痛みはモルヒネによく反応しますし、モルヒネには下痢を止めたりする効果もあります。痛みが取れれば食欲が増して夜も熟睡できるため、病気と闘う体力の回復につながるでしょう。)膵臓がんは痛みの出やすいガンとして知られていますが、現在は抗癌剤で治療中の方も医療用麻薬で鎮痛を行いながら闘病を行うのがごく普通のことになってきました。治療が奏功し、痛みが改善すれば麻薬の減量・中止も可能です。


「患者の側が納得すると痛みの治療はうまくいく」そうです。患者や家族も勉強して、かしこい闘病ライフを送っていきましょうね。


注:イラストは痛みの緩和について考える JPAP (Japan Partners Against Pain) のチェックシートから、痛みの評価に使われるイラストを抜粋したものです。あなたの痛みは10段階のいくつですか? (JPAPのページには、がん患者やその家族からの質問を受け付ける「痛みの相談室」があります。12人の専門医が交代で毎月2回、回答するそうです。)


注2:オキノーム散の使用上の注意など日本語の文書は見つけられなかったのですが、イギリスの書類がここにありました。炎症性腸疾患の時や、一部の安定剤や抗うつ薬との併用はできないようです。


注3:オキノーム散発売のニュースについて、2月9日の記事に書きました。

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