アンナ・マセリスさんの現在
お久しぶりです。ずいぶん間が空いてしまいました。
最近はさまざまな膵臓がん関連サイトや最新情報をチェックできなくなってしまいましたが、ブログを休止する前に拾っていた記事を一つ紹介します。
Self Magazineという雑誌の昨年12月号に、このブログで何度か取り上げた(記事1・2)アンナ・マセリスさんの近況が掲載されました。
膵臓がんで、肝臓や腹膜への多発転移もあった癌研究者のアンナ・マセリスさんですが、抗がん剤を腹腔内に直接注入するという方法(卵巣がんの治療で使われているそうです)を行なうことで、今では転移巣がすべて消えて原発巣も2cmまで小さくなったそうです。
くわしくはこちらの記事(英文)をご参照ください。
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厳選膵臓がん関連リンク
こちらにも書きましたが、ダイジェスト版をここに置いておきます。どうぞご参考まで。
- 国立がんセンター(がん情報サービス)の膵臓がんのページ
- まずは全般的な知識の勉強を。
- 膵臓がんアクションネットワーク (PanCAN Japan)
- アメリカの膵臓がん患者団体PanCANの日本支部です。膵臓がん専門病院一覧 はとても参考になる情報です。
- Pancreatic Cancer Alliance
- News Storiesでは、新治療から著名人の闘病記まで、あらゆる膵臓がん関係の新聞記事をピックアップしています(英語)。
- Johns Hopkins Online Discussion Board
- 1996年から続いているすい臓がん患者・家族の掲示板(英語です)。
- 書き込み可能な掲示板(日本語):癌掲示板-胆肝膵、病院施設板、2ちゃんねる - すい臓がん
がん患者に必要なのは助け合う仲間
報道からです。
がん患者に必要なのは助け合う仲間 2008年01月08日 (US Frontline)
医療の進歩により、がんと共に生きる人々が増えている。闘病生活を支えているのは、治療だけではなく、一緒に病に立ち向かう仲間のようだ。・・(中略)
米医学研究所(IOM)は昨秋、多くの調査結果から、落ち込みや不安、孤独感ががん患者の治療効果に悪影響を及ぼすと発表した。落ち込みや孤独感が激しいと、患者は痛みを強く感じたり、治療を継続できなくなったりするという。
米国立衛生研究所(NIH)行動社会科学研究所のデビッド・アブラムズ所長によると、動物実験や人間を対象にした調査で、孤独感やストレスがホルモンや免疫機構に悪影響を与えると立証されている。不眠症のがん患者の場合、ストレス・ホルモンの量が増加する。乳がん患者でこの問題が発生すると、死期を早めるという。
しかし、こうした身体の変化には、遺伝子やその他の要因も作用しているため、さらなる調査が必要だとアブラムズ氏は語る。
スタンフォード大学医学部のデビッド・スピーゲル精神科医は18年前、グループセラピー・プログラムに参加した女性乳がん患者の生存率が2倍に伸びたという調査結果を得た。しかし、同じ実験を再度行ったところ(結果は昨年7月に発表)、前回のような大きな差は得られなかった。スピーゲル氏は、治療法が進歩したために、グループ効果が薄れたのではないかと考えている。いずれにしても、患者が仲間によって、病と共によりよく生きる勇気を得ていることは確かなようだ。
英文記事はこちら->”Cancer patients find strength in numbers- USATODAY.com”
さてこの写真の男性は誰でしょう? もう少し記事を訳してみると・・
膵臓がんのウイルス療法、臨床試験再開
HF10というウイルスを使った抗がん剤の臨床試験(安全性確認試験)が、名古屋大学で始まるそうです。
膵臓がんの臨床試験再開へ ウイルス治療で名大病院 (共同通信社 2008年1月9日)(癌掲示板より)
がん細胞を死滅させる性質を持つ単純ヘルペスウイルス「HF10」を研究している名古屋大病院の中尾昭公(なかお・あきまさ)教授らのグループは8日、休止していたHF10製剤を使った膵臓(すいぞう)がん治療の臨床試験を再開すると発表した。
同病院では2003年に、HF10を使った乳がん治療の臨床試験で効果を上げ、05年1月に膵臓がんでも臨床試験を始めたが、製剤不足で同年9月に休止していた。
中尾教授によると、海外の製薬会社に委託した、純度と安全性が高い製剤が昨年完成し、大学のバイオ先端臨床研究委員会で承認を得た。がんが進行し切除不能と判断された
患者6人を予定しており、HF10をがん細胞に直接注射するなどして効果を確認するという。
(追記:1月18日にさらにくわしい記事が出ました。(日経メディカル))
名古屋大学 病態制御外科学のページはこちらです。<臨床試験再開のお知らせ>が出ています。
続きを読むがん患者の看護者を助ける方法
あけましておめでとうございます。お正月でご家族のもとに帰省されている方も多いのではないでしょうか。
パンキャン(アメリカの膵臓がん患者会。日本支部はこちら)のニュースレター、2007年10月号になかなか有益な記事が載っていましたので紹介します。ちょっと意訳になってしまいましたが、どうぞご覧ください。
家族(介護者)を助けるには
膵臓がん患者の家族の役割は多岐にわたり、時にはなかなか大変なこともあります。愛する人を身体的にも精神的にも支えて日常生活の雑事をこなしていると、一日の終わりにふと気づくと自分自身のことをする時間がほとんど無くなっていたりします。
介護者の仕事を肩代わりすることで、ストレスをいくぶんかでも減らしてあげることができます。以下は介護者を助けるためにできることのリストです。
しっかりとした確実な援助をして、介護者を助けましょう。あなたがしてもいいと思うかもしれないことのリストをあげてみます。
- 彼または彼女をディナーと映画の夜に連れ出す
- 週に1度夕食を作る
- 掃除や洗濯を手伝う
- 薬局へ薬を取りに行ったり、買い物を代わりにする
- すい臓がんや他のことについて調べものの代行を申し出る
- 本気で彼または彼女の友人でありたいと願っていること、彼または彼女の話に耳を傾けること、彼または彼女の味方になることを伝える。彼または彼女の生活にどのように参加したら良いのかを理解する。
- 健康保険や書類仕事を手伝う
- 一緒の散歩や、ヨガ教室への参加を申し出てみる
介護者とかかわるときに、推奨されないことのリスト:
- いつも病気の話ばかりしないこと。介護者は他の話題にも接した方がいいかもしれない。
- 自分の経験談や、知り合いが癌にかかってどうしたとかいう話を押しつけないこと。介護者の方から聞かれれば別だが。
- 介護者から遠ざかったり、逃げ腰になったりしないで。彼または彼女に、あなたがいつでもそこにいるということを伝えよう。
- 介護者の懸念や心配事を軽く扱ったりしない。こうしたことは介護者の気持ちを楽にしようという善意から行われることだが、介護者からは鈍感だと思われるかもしれない。
介護者自身は、助けを求めたがらないことが良くあります。ですから「助けたい」という明確な意志を持って介護者にアプローチしましょう。上にあげた例は、あなたが介護者に手を差し伸べる生活を始めるための良い最初の一歩となることでしょう。
※この他の「家族・介護者のために」のシリーズはこちらです。
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